Lactiga は、世界中に流通している使われなかった母乳を活用して、COVID-19 などの感染症の新しい治療法の開発を目指すバイオ医薬品企業です。同社は母乳が持つ治療薬としての可能性を引き出すことで、世界で特に危険性の高い病原体にも効果を発揮する次世代の抗感染薬を生み出しています。

科学的な専門知識とビジネスの知識を 1 か所に集約

Lactiga の共同設立者/最高科学責任者であるヴィラージ・マーネ氏は、ソフトウェア関連のスタートアップ企業ではほとんど経験することのない課題に対処しなければなりません。バイオテクノロジー関連のスタートアップ企業は、医療製品に関する法律や規制の要件をクリアする必要があるためです。バイオテクノロジー企業の資金調達では、毎月の経常収益や顧客獲得コストといった従来のビジネス指標に加えて、科学分野でのトラクションを示す必要があります。マーネ氏と彼のチームは、科学分野の専門知識を集約し、潜在的な投資家に Lactiga の事業のファンダメンタルを示すことができる一元的な場所を必要としていました。

データ ルーム分析で投資家への積極的な働きかけが可能に

「DocSend はそれまでのツールよりもはるかに見やすくすっきりしていたので、DocSend のデータ ルームで科学的成果や市場でのトラクションを整理することにしました」とマーネ氏は話します。DocSend を導入する前のマーネ氏と彼のチームは、クラウド ストレージとして Google ドライブを利用して投資家向けの調査資料やビジネス ドキュメントを保管していました。その問題点について、マーネ氏は次のように振り返ります。「以前使っていた Google ドライブなどのソリューションは、特定のアセットに費やされた時間の追跡や可視化に対応していませんでした。誰が何を閲覧したか、どのドキュメントが他の投資家に転送された可能性があるかわからなかったのです。さらに悪いことに、投資家は無数にあるファイルをかき分けて必要な情報を探さなければならなかったのです。」

DocSend の分析機能により、マーネ氏は潜在的投資家が重要なドキュメントをいつ閲覧したか、どのくらいの時間を費やしたか、何に対して特に興味を持ったかを確認できるようになりました。このような可視性の向上は、投資家への積極的な働きかけ戦略を策定するうえで役立っています。「DocSend を導入する前は、投資家が資金調達に関する資料を見てくれているかどうか、何度もこちらから連絡しなければわかりませんでした。今では投資家が資料にいつ目を通したかを把握できるようになりました。資料を見た数日後が、連絡を取って会話を続けるのに最適なタイミングです。DocSend の分析機能のおかげで、憶測ではなく事実に基づいて IR を管理できています。」

 

より良いストーリーテリングにつながる効果的なカスタマイズ機能

マーネ氏とチームは投資家への積極的な働きかけに役立っているのは、DocSend の分析機能だけではありません。カスタマイズ機能を活用して、投資家ごとに個別のデータ ルームも構築しています。Lactiga に出資しているのは、家族や友人、小規模なエンジェル投資家やファミリーオフィスなどです。しかしマーネ氏はこう言います。「投資家はそれぞれ関心事が異なります。社会的インパクトを重視する人もいれば、科学技術や特許を期待しているだけの人、メーカーとのつながりを期待している人もいます。当社の資料はすべて DocSend であらかじめ整理されているので、数回クリックするだけで、特定の投資家の共感を得る可能性が最も高いファイルを集めてカスタマイズしたデータ ルームを簡単に作成できます。」DocSend のカスタマイズ機能を利用することで、マーネ氏は投資家が本当に求めている情報を絞り込むことができます。「DocSend のデータ ルームは簡単にパーソナライズできるので、投資家にとって興味のない資料を大量に送りつけことなく、彼らが特に関心を寄せている内容に絞って紹介できるのです。」

カスタマイズ機能は、マーネ氏が投資家にとってより魅力的な会社のストーリーを作るのにも役立っています。「DocSend データ ルームが素晴らしいのは、投資家ごとのパーソナライズに加えて、当社のブランドのロゴ、タグライン、バナー画像が示されることです」とマーネ氏は言います。「これだけでも、潜在的投資家はすでに弊社のストーリーに引き込まれるでしょう。せっかく関心を寄せていただいたのですから、しっかりとしたドキュメントを提示するのが私たちの役割です。充実した資料があれば、それだけ時間を割いて確認していただけます。」マーネ氏にとって、DocSend のデータ ルームはストーリーテリングの手段であり、ミッション クリティカルなドキュメントを共有するユーザーフレンドリーな方法でもあります。

ユーザーフレンドリーなアクセス制御で安心を提供

マーネ氏とチームは事業経営と科学研究で多忙なため、使いやすいデータ ルームを持つことは最重要課題でした。つまり権限とアクセス制御の設定が簡単なこと、そして外部の訪問者に負担をかけすぎないことが重要です。「訪問時にメール アドレスの入力を求めることで、データ ルームへのアクセスを特定のユーザーのみに制限できます」とマーネ氏は説明します。「そうすることで、友人や家族の投資家に対して堅苦しい印象を与えるさまざまな制約を課すことなく、誰がドキュメントを見ているかを確認できます。DocSend の素晴らしい点は、当社のビジネスに最適なレベルのアクセス制御を簡単に設定できることです。」

また、マーネ氏は DocSend の分析を通して、データ ルームが自分だけでなく訪問者にとっても使いやすいことに気づきました。資金調達のように不確実性の高いプロセスにおいて、この安心感は Lactiga チームにとって重要な意味を持ちます。「資金調達に関するドキュメントに投資家が問題なくアクセスできているかどうかを心配する必要がなくなりました。DocSend の分析機能のおかげでユーザーの動向を常に把握できます。この可視性により、ログインの詳細を管理する必要がないため、投資家はスムーズに当社のドキュメントにアクセスできます。」

DocSend で次の調達を予測

高評価のビジネスとそれを支える強固な技術を持つマーネ氏と彼のチームは、すでにシリーズ A の資金調達ラウンドに目を向けています。つまり、データ ルームをこれまでとは違ったやり方で整理し、急成長する企業に対して一流の投資家が求める新しいカテゴリや複雑さのレベルを追加する必要があります。マーネ氏は次のように述べています。「DocSend のおかげで、現在の調達だけでなく、その次の調達についても積極的に考えられるようになりました。シリーズ A ラウンドのアドバイスも受け始めていますが、将来の投資家が持つ高い水準を想定して、すでにデータ ルームを整理できています。」

友人や家族が投資判断をする場合、関心の対象は限定されがちですが、規模の大きな機関投資家は、多様なドキュメントを確認したいと考えています。「その点で、DocSend は次の資金調達を管理する手段として非常に有効です」とマーネ氏は言います。「データ ルームをレベルアップするには、ドキュメントの新しいカテゴリを設けて、当社のビジネスを説明する方法を改める必要があります。一見すると大変そうですが、DocSend を使えばシームレスに更新が可能です。おかげで、シリーズ A の段階で投資家に好印象を与えるのに必要とされる、高度な技術と組織体制を確立していることを簡単に示すことができます。」

DocSend の導入で、マーネ氏と彼のチームは、科学やビジネスにかかわるドキュメントを使いやすい 1 つのデータルームに集約することができました。DocSend の分析機能やカスタマイズ機能により、マーネ氏は Lactiga の現在の資金調達活動をプロアクティブに管理し、将来に向けてさらにレベルアップしたデータ ルームを構築できます。